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 目白さんとは同じ会社だが俺は話したことのない先輩である。営業部の小林と同じ部署で経理部の俺とはほとんど関わりがないのだ。 「目白さんと話したことないけど大丈夫かな。俺人見知りだし。」 「あー。それは大丈夫だと思う。あの人、人見知りしないし誰とでも仲良くなれっから。話しやすいよ。」 「・・・おっけー。」  小林の友達ならまだしも会社の先輩ともなれば緊張は倍増される。緊張のなか酒に酔わない自信がなかった。  小林以外知らない人だらけの緊張のなか酒を飲むのは少し不安だが行くと言ってしまった手前なんとか今日を乗り切るしかない。 (大丈夫、俺ならできる。今日くらいはなんとかやれる。)  俺はそう自分に言い聞かせ小林にばれないように小さく深呼吸をした。 「じゃ、松尾よろしくな!詳細あとで送っとくからー!」  そう言うと小林は席をたち、仕事に戻っていく。俺も、あぁと短く返事をしてそばを食べるのを再開した。そばは少しのびていた。  唐突に話しかけられて、あっという間に合コンに行くことが決まってしまった。嵐に巻き込まれた気分である。憂鬱極まりない。 (目白さんかぁ・・・。がんばろ。)  目白さんは凄く目立つ先輩で名前だけは知っている。いつも営業成績1位で仕事ができると有名なのだ。なおかつ男前で優しいと女子社員からの人気が厚い。おまけに持ち前のコミュニケーション能力で色んな部署の人と仲が良いらしかった。 (・・・そんな先輩にバレたら一巻の終わりだ。)  もし目白さんにバレて色んな部署の人に話されでもしたら俺の人生は終わりだ。絶対にバレないように、そして酒に酔わないようにしようと心に誓った俺だった。
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