883人が本棚に入れています
本棚に追加
「かんぱーい!」
男4人、女4人の計8人の声が居酒屋に響く。ついに始まってしまったのだ、合コンが。
人見知りの俺はできるだけ小林の隣の席が良かったのだが、そんな思いとはうらはらに1番遠い席になってしまっていた。しかも俺の隣は目白さんである。なんとか端の席を確保できたのは良かったものの同じ会社の先輩の隣の席など気が気じゃない。
(ブラ・・・透けてないよな・・・?)
座敷席で思ったよりも隣と距離が近く俺はドキドキしてしまう。順調にみんな仲良くなっていくなか俺はそれどころじゃなかった。
「松尾君全然飲んでないね〜。」
目の前の女の子がそう俺に声をかける。周りが2杯、3杯と飲んでいくなか俺だけまだ1杯目なのだ。全然飲んでないと言われても仕方がない。
「俺あんま酒得意じゃなくて・・・。」
そう答えちびっ、と目の前にあるビールを飲む。とりあえず、ということで最初にビールを頼まれてしまったのだ。
(女の子は最初から好きなの飲んでただろ!なんで男は強制的にビールなんだよ・・・。)
心の中で悪態ついてみるものの頼まれてしまったものはしょうがない。飲むしかないのだ。
目の前の女の子の話に相槌をうちながらちびちびとビールを飲む。ぬるくなってもともと苦手だったビールが更に美味しくなく感じた。
(・・・せめてカシオレ飲みたい・・・。もっと言えばジュース・・・。)
やはり俺は酒は苦手である。酒よりもジュースの方が何倍も好きだ。
最初のコメントを投稿しよう!