868人が本棚に入れています
本棚に追加
/194ページ
キス以上の凄いことをされているのだ。キスくらいのことで抵抗しなくても仕方がないと思う。
決して受け入れているわけではない、・・・はずである。
「や、・・・やめろって言ったってやめてくれないくせに・・・、」
苦し紛れに悪態をつく。しかし目白さんは楽しそうに笑うだけだ。
「ま、そーいう事にしといてやるよ。」
「ちょっ・・・、」
目白さんは言うなり俺の耳にわざとらしくキスを落とす。それにまた腹がたつのだ。
そんな俺を知ってか知らずか目白さんは満足したのかガチャリと個室の鍵を開ける。そしてそのまま個室から出た。
(・・・完全に遊ばれてるわ・・・、)
なんだか悔しくなりつつも、目白さんに続き俺も個室から出る。
目白さんはばしゃばしゃと手を洗い始め、俺はよくもまぁ躊躇することもなく人のもんに触ることができるなと感心してしまう。いくら洗えるからといってやりすぎだ。
それとも目白さんにとってこれはどうってことない事なのだろうか。
「・・・目白さん、アンタまさか他の人にも・・・、」
「ん?」
同じことしてるんですか?だからこれくらい平然とやってのけるんですか?、なんて疑問が浮かんだが言葉には出さなかった。
「なんだよ。」
「な、なんでもないです・・・、」
他の人にしてたとして、何だと言うのだ。俺には関係のない話である。
それに目白さんは社内で仕事ができて男前で完璧だと有名なのだ。実際はドSで意地悪なのだけれど。他の人にも見境なくこんな意地悪をしていたら完璧でかっこいいなんて噂にならないはずである。
(・・・色んな人にこんなことしてたらまじで人格疑うよな・・・、)
噂でくらい、目白さんは完璧な人であってほしい。どうか他の人にはしてませんように、なんて思ってしまう俺だった。
最初のコメントを投稿しよう!