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本当の愛し方
警察に手錠を付けられ、車の中に入れられた。
その時、車の窓ガラスを“トントン“と、叩かれた。
私は窓ガラスに目を向ける…
そこには警察と、隼人が立っていた。
「佐原さんが貴女とお話したいと…」
警察はそう言った。
私は無言でうなずいた。そして、隼人が私に話し出した。
「俺は、貴女が誰なのかは分からない。貴女が俺を監禁したのは、俺が好きだったから…愛していたからこそ、歪んだ愛になってしまった…」
「貴女の愛し方は、違っている…俺の彼女も殺して…。正直、俺は貴女を恨んでいる。一生この恨みは消えない。」
見たことのない冷たい、怖い眼差しで私を睨みながら、隼人は去っていた…
“本当の愛し方“
正しい愛し方をしたら、貴方は私を好きになったの?
恨んだりされなかったの?あんな眼差しはされなかったの?
もう分からない……
でも、私は彼を愛していた…
どこで間違えたのだろう…
車が走り出す。
この時私は、声にならない涙をずっと流していた…
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