3人が本棚に入れています
本棚に追加
4人が集まって30分、まだ雨が止む気配が無かった。
それぞれが、自分自身の話で盛り上がっている。
サユリは今日3年付き合った彼氏にフラれ、傷心状態で彷徨っているとここに辿り着いた話。
シズクは、理由は言えないが親と喧嘩して家出した話。
ヒロアキは、今探偵として追いかけてる人物がいる話。
ユウは、浪人生として今後どうしていくか悩んでいる話。
それぞれに抱えてるものは違い、それぞれに個性があった。
年代も性別も別々で、普段の生活では出会えそうにない人達。
雨が降り止むのを望まないのはここまで無かった位、サユリの心が踊る。
だがそんな心中とは裏腹に、雨は徐々に小雨になっていった。
傘をささなくても雨が気にならない程度まで雨は落ち着き、それに気付いたのはヒロアキだった。
「お、雨止んできたな」
それでようやく帰らなきゃいけない現実に気付き、サユリは慌てて携帯を取り出す。
この縁をこの日だけで終わらせたくない、そんな一心だった。
「皆さん、連絡先交換しませんか?」
「良いですね!せっかくの縁ですし、俺も交換したいです」
最初のコメントを投稿しよう!