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交換は全員が賛成し、滞りなくそれは行われた。
連絡先に各々の名前が並んでいるのを見て満足な表情を浮かべるサユリだが、その携帯の時計が午後9時と表示されているのに気付き思わず大声をあげる。
「やばっ、もう9時回ってる!?」
「俺、送りましょうか?ユウくんもこの近くならそこまで一緒に……」
「駅とは反対なので、僕の事は気にしなくて大丈夫ですよ」
「じゃあとりあえず、公園の外まで一緒に行こうか」
帰る支度を各々始め、寂しさが込み上げるサユリの袖をシズクが引っ張った。
悲しげな表情を浮かべ、言葉を選んでる様子に気付き察する。
「良かったらウチに来る?」
シズクは晴れやかな顔で、声も無く頷いた。
家出をしたのなら家にも帰りづらいだろう、そんな気持ちを察して家へと誘ってみた。
考えは、見事に正解だったようだ。
「家に行ったら、ひとつだけお願いあるんだけどいいかな?」
サユリは、1つだけ気がかりな事があった。
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