11

1/1

256人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ

11

意外にもカーペットは肌触りが良く、床の上に寝転がっても痛みを感じなかった。智哉の上に跨って股を開いた佳奈恵は言う。 「ねぇ、私重いよ。」 「そんなことないだろ。」 中肉中背が似合う女性ではあるが、それでもふくよかな体型とは言えないほど魅力的な肉付きだった。分かったと一言だけ言ってペニスを持ち、先端の向きを調整しながらゆっくりと腰を下ろす。たくし上げた裾のおかげで、悪魔が魂を飲み込む姿がよく見えた。汗や粘液で束を作る陰毛があちこちに散らばっている。 「あー、これ癖になりそう。」 智哉の体に着陸した佳奈恵は、膝を曲げて両足をぱっくりと開いた。体を前に寄せて智哉の乳首に手を置く。硬直してはいるものの、今までそこを愛撫されたことはなかった。 「智哉はもう動かなくていいからね。この病人に任せなさい。」 母親のようにそう言う佳奈恵を見て、納得した。子どもがいなくともこの歳になれば母性が自然を滲み出るものだ。 腰を上下するわけではなく、グラインドさせていく佳奈恵は、まるで結合部から筆が生えているかのように円を描いた。避妊具があるにも関わらず、強く締め付ける刺激が肉樹から全身へ伝う。下半身を軸にゆっくりと回転していくペニスの先端からカウパー腺液が漏れる感覚があった。 「あっ、佳奈恵…それダメだ。」 彼女は腰をくねらせながら、その指先を乳首に当てていた。平たい胸部の上にぽつんと置かれた小さい乳頭、今まで自分がそこで快感を得るとは思ってもみなかった。 「いいよ。出しちゃって。」 そう言って上半身を倒し、彼女は智哉の乳頭を舐めた。尻を上下に振って腰に打ち付けていく。舌を出して淫らに腰を振る佳奈恵がこちらを見た時、智哉は限界を迎えた。 「あら、すごいよ。意外と分かるもんだね。」 とめどなく精液を放ち、その間佳奈恵は息を荒くしながらこちらを見ていた。今彼女の中に、避妊具をつけて深々と射精している。その事実が恐ろしいほど智哉を高揚させた。 「2回戦、いく?」 「えー。しょうがないなぁ。」 まるで自分の作品を褒められたかのように笑った佳奈恵は、すぐに唇を重ねた。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

256人が本棚に入れています
本棚に追加