えんよーと陽と優

人探し

「は？」

「この辺…より遠い？」

「いやいや、奄美にいないの？」

「いない」

「いつの間に？」

「ついこの間」

いやいや、どういうことだ？転勤？
とりあえず家に上げる。

「いいねー1人暮らしだぁ」

「転勤したの？」

「まさか！ありえなーい。俺ね、推薦で高校入ったんだ」

「え？な、なんで？」

「走りで。大会で優勝したりしてたしー」

「は？走り？」

艶耀から走りというキーワードが繋げられない。しかも推薦？どういうこと？

「そー。陽くんはもしかして大学行ってる?」

「あ、あぁ、そう」

「さっすがー」

艶耀の話についていけない。

「俺も、最近通い始めたけど…」

「ふーん。そーなのか。陽くんと会えて嬉しい。なんか、高校生のときより優しい」

「…悪いな。いろいろ事情があって」

「髪の毛、もう染めなくしたんだね」

「まぁ、そう」

逆に艶耀はなんで俺だってすぐわかったんだ？すげぇな。

「昔さ、一緒に遊んだよね。そのときのこと、すごい思い出すよ」

これよく言うんだけど、なんなんだよ。
しかし、走りとか得意…だったのか？わからない。