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今日も、部活終わりはコンビニで優くん探し。寮は別に遅く帰っても怒られないし。あんまり遅いとなんか言われるけど。
店員さんにいつものように、声かけようと思ったけど…このでかさ!
「あーー!優くんみっけ!」
「どちら様?」
「はーー!?えんよー!だーよー!」
「声がでけぇよ」
「もー電話出てよ!」
「今は使えない」
「充電きれてる?」
「止められてんの」
「金ないの?」
「ない」
「じゃあ奥さんにたかりなよ!」
「別れた」
「…え、ええええ!?」
あっさり。重要なことをあっさりいうのは優くんらしい。
「お前、うるさい」
「何時上がり?待っとく!」
「もう上がりだよ」
「俺おごるよ!」
「うっせ」
コンビニ店員の優くんは、お金も何もかもなくしていた。とりあえず、ファミレスに行く。
「艶耀、お前はなんでそんなにこなれてるんだ?」
「なにがー?てゆか俺のこと忘れるのとかひど!」
「いや…痩せただろ?」
「まーそーかも」
「お前はまるっとしてて」
「それはもーいーの。なんで別れたの?」
「兄がうるさくて。別れろって一方的に言われて、もう会ってない」
「裁判は?」
「ない」
「お金は?子供、いるんでしょ?」
「育てられないし、金もない」
「優くん…1人なのか…辛くない?」
「俺は仕事して、金貯めるしかない」
「いるかさんのこと、嫌いになった?」
「知らね。兄が怖すぎ」
「…」
何も言えない。振られてしまったんだ。
優くんは、別れてって言われたら別れるんだろうな。
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