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「先生、すみません」
今日も肥後さんという高校生の女の子が、確認テストをまだやってる。彼女の近くには成績優秀な男の子がいるけど、確認テストはすぐ終わらせちゃうから。たぶんもう自習してるだろうな。
「ん?なにかな」
「ここ、教えてもらえませんか?」
「いいよ…」
素直にわからないとこ聞けるとか、いいよねー。天使!
「私、進学高に通ってるのになかなか勉強できてなくて」
「いや、頑張ってるから大丈夫だよ」
「そう、ですか?」
「うん」
「ありがとうございます」
うわー。笑ってくれた。嬉しい。そりゃ中学生に囲まれてなんて苦行、よくできるよなーと思うもん。肥後さんと一緒に勉強してたら、もう終わりになった。
「よーくーん!」
この声、聞いたことある…
「え、おい。なにしにきてんだよ」
艶耀が、塾になんでいるんだか。しかし、授業終わるの待ってたなんて律儀なやつだ。
「ひゃっほー元気ー?」
肥後さんは引いた。だってお前うるせーもん。
「あり?邪魔だった?」
「うるさい」
「ごめんね。外で待っとく」
「あの、附属の制服…ですね」
「ん?俺?あーそーなのかも?」
「曖昧かよ」
「すごいです。お勉強大変じゃないですか?」
「別?あ、その制服女子高のでしょ?」
「え…はい」
「じゃあー勉強頑張ってね」
「ありがとうございます…」
艶耀、すごいコミュ力。びびる。
「で、陽くんなにしてんの?」
「は?誰にここ聞いた?」
「しょーやくん」
その言い方なんなんだよ。
「ここは塾」
「おーそーなの?邪魔してごめんね」
「いえ…」
肥後さんが謝ったんだけど!艶耀め。
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