家の仕事

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毎日、牧場で牛の世話に追われる。そんなとき、父が奄美の話をした。 「奄美?」 「そー。お前らがこの牧場やってるとやりたいことできねだろ?」 「でー?奄美住む?」 「和希さんが来ていいってさ。お前らを見てくれる」 「俺、マラソンするの?」 「いや、お前が好きなよーにしてほしい」 「つまり?遊んでいい?」 「そう」 「なんで?」 「俺がそうさせてもらってたから」 てなわけで、裟南が高校生になったとき、奄美に再び戻る。昔は母が現役のとき、コーチやってくれてた和希さんのところに住んでた。でも今度は違う。コーチとしてじゃなくて、俺たちを預かってくれるためだ。 「裟南、艶耀、よく来てくれたね」 和希さんは昔のイメージと変わらない。すらっとしている。しかーし、ぶさいくな娘がいた。あー残念に育ったのか。なんかやだ。 「2人とも、好きなことしていいよ?友達と今まで遊べてなかったんだろ?」 「そーなの?じゃー走る!奄美一周するくらい!」 ここは、狭い。でも、友達がいる。たくさん走って、昔を思い出す。あぁ、俺は帰ってきたのか。嬉しくなった。 翌日から学校に通う。 全国大会まで陸上部で行ったけど、あまり練習に参加できなくて迷惑をかけてたから、部活は入らない。でも走るのは好きなんだ。 「艶耀は良い靴履いてるね」 「これお気に入りなんだ」 「今から走り込み?行っておいでよ」 学校終わってから、たくさん走って夜になったとき優くんと出会えた。よかった! 俺のこと覚えててくれた。
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