7人が本棚に入れています
本棚に追加
アパートの水漏れとバンクシー
正体不明の世界的芸術家バンクシー。社会へ向けたメッセージを作品に乗せて、時には破天荒でいてアナーキーな作品価値を作る(絵を買ってもらった直後にその場でシュレッダー行き、とか)非常に愉快で独創的なアーティスト。
そんな彼が、今アメリカで起きている黒人窒息死事件が引き金の差別問題について語り、新たな作品を発表した。
語りの部分にて、バンクシーは白人による有色人種への冷遇をアパートに例えた。「黒人の問題ではなく、白人の問題である」と。
アパートの上層部に住む者が白人で、そこから水漏れが起きている。下層部に住むのが有色人種たち。
天井がシミになり、そこから水がポタポタと滴り落ちている訳だ。迷惑千万である。
「オタクの壊れた排水管がうちの天井にシミを作ってるんだけど?!」
ドアをノックしても扉は開かない。
わかりやすい例えである。
バンクシーのメッセージは最後にこう残された。
「誰かが上の階へ行ってドアを蹴破る」
この言葉の意味を改革とみるか暴動とみるか、あるいはまた別の意味をみるかは、作品とメッセージを観覧した者に委ねられるだろう。
だが、誰かがドアを蹴破った後はどうなるのだろうか?
水漏れを修理させるのか、
下層部に引っ越させて上下入れ替えをするのか、
全く別の所へ移り住むのか、
いつか髭の男が行った種族根絶をするのかは、わからない。
いつの時代でもデモは時に大きなクーデターになりうる。
権力の転換の歴史は人々が繰り返し行なって来たある種の行事だ。
フランス革命、独立戦争、日本だと大政奉還ですかね。江戸城無血開城を成した坂本龍馬と勝海舟は偉大だ。しかし、坂本龍馬は暗殺される。国や政治が絡む物事で大きな仕事をした人間は何故皆殺されるのでしょうか? 何故でしょうか?
陰謀論は置いといて。
今、起きている状況、その先に待ち受けるものが何なのか、目撃するならば、今後の人類の未来が少しだけ見えるかもしれません。
最初のコメントを投稿しよう!