同じ苦しみを味わう埋もれる者たち

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同じ苦しみを味わう埋もれる者たち

警官に拘束され掛けた男性が逃走。警官のテーザー銃(中距離スタンガン)を奪い、攻撃。警官は応戦する形で発砲し男性は死亡。 文で伝える上で少し情報を省くとこうなる。 どういった印象を受けるだろうか。 これが「白人警官」と「黒人男性」と記されると、また違う印象を受けるのだろうか。 何故黒人男性は逃げたのか。拘束後に暴力を受ける恐れがあったからか、あるいは従来の者と同様に余罪があった為逃げたのか。 亡くなった今になっては理由はわからない。ただ、ドライブスルーエリアに駐車して寝ており、呼吸検査でアルコール検出、歩行検査でアウトとなり拘束。流れは至っていつものやり取りであった。 逃げなければ、撃たれることはなかった。 ある黒人青年が母親に教わった「若い黒人が外でやってはいけない事リスト」にて、 「職務質問を受けたら反論せず協力的でありなさい」 とある。そして、車内で職務質問を受けたら、「両手を上げたうえで身分証が入ったダッシュボードを開けても良いか確認を取りなさい」とある。 つまり、「身分証を確認します」と言われ、上記の事をせずに身分証が入っているダッシュボードなり鞄なりに手を伸ばすと、拳銃を取り出すと思われ、即座に撃たれる可能性があるのだ。それがアメリカって事なのか。 これが世界的な抗議デモと共に情報として雪崩れ込んでいるのだ。真実かはわからないがアメリカを少し知れる事だろう。 黒人差別として動きがある。 人種差別としての動きもあるが主体は白人警官による黒人差別である。 人種差別としてだと黒人だけではない。埋もれる者たちがいる。 クルド人はどうなった? チベット族とウイグル族は? インディアンは? アメリカはインディアン系の女性の失踪者に対して関心が薄いとのこと。本当なのだろうか。 映画「ウィンドリバー」はそれらの題材を扱った上質サスペンスである。 ただ劇中の事件の内容が少々エグい為、観る人を選ぶ。(ブラピの出世作程ではないです) エッジの効いたストーリーラインはとても参考になるし、ラストは切ない。 物語の舞台は閉鎖的な極寒の田舎町。凍り付いた湖のど真ん中に、薄着の若いインディアン系女性の変死体が発見される。女性は裸足のまま10kmも走り、凍てつく空気によって肺が凍り付いていた。惨たらしい状態である。町の警官たちは都会から派遣された新米のFBI捜査官と捜査を始めるが手掛かりが掴めない。そんな中、1人の狩人が事件に首を突っ込んで来る。この男の目的とは? 何故女性は自身の肺に溺れながら死ぬまで走り続けたのか? と、あらすじが少し違っていたらすみません。「ナイロビの蜂」のような社会派な映画ではなくてサクッと観れます。 差別がない世界は人類史の中にも未だ存在していません。 かの有名な女流歌人みすゞはこう歌いました。 「みんな違ってみんないい」 どんな意味なのでしょうか。 歌人みすゞは若くしてこの世を去る事になった。争いの果てに、です。何故でしょうか? 何故、平等を求めれば求める程、均衡は左右どちからに偏りすぎるのでしょうか。 今回の騒動もですが、様々な活動団体が啓発を行ってはいます。 人種差別だけじゃないですからね。
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