錆色の幸せ

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 夫の恭輔は優しいがその母親は事あるごとに麻美を脳無し呼ばわりをし、 一時期それが原因で離婚も考えた。 「はあー」深いため息を吐く。  こんなところでうんざりしているくらいなら、と、駅中のショッピングモールに入った。 中にペットショップがあるのを確認し、そちらに向かう。 建物の中にまで、雨の匂いがする。 傘袋に入った濡れた傘は、こんなに明るい店内でも外の雨を忘れさせてはくれない。
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