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私の後ろに立っていたのは、白いセーラー服を血で真っ赤に染めた女子高生だった。
しかも、彼女の顔はキズだらけで頭から血を流していた。
まるで交通事故にでもあったかのように……。
本当に見てしまった雨子さんに恐怖し、私が目を見開きながらゆっくりと後退りをしたとき、雨子さんがものすごい形相で私の方に走ってきて、私の胸を勢いよくドンと押した。
私はその衝撃で車道の方に倒れ込み、表情をこわばらせながら、本当に現れた雨子さんを見つめていた。
そしてそのとき、辺りにけたたましいクラクションの音が響き、私は自分に大型のトラックが迫っていることにようやく気づいた。
(ウソでしょ……。
こんな結末なんて……)
もう近くまで迫っているトラックからもう逃げることなんてできなかった。
私は何もすることができないまま、自分へと猛然と突っ込んでくるトラックを見つめていた。
そう言えば雨子さんは、雨の日に道路に飛び出して自殺したんだと思い出したが、今のこの状況でその知識は少しも役に立たなかった。
キィィィー、ドン!
私はブレーキが間に合わなかったトラックにはね飛ばされ、道路に仰向けに倒れてそこから少しも動けなかった。
そして私は自分の死を意識しながら、雨子さんがうれしそうに笑っている顔を見ていた。
清美が私に話していた都市伝説は本物だった。
雨子さんは雨のやまない日に本当に現れる。
幸せな女子高生を呪うために……。
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