呼ばれていた話

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呼ばれていた話

 これは、私が大学生時代の時の話だ。  当時私は県外の学校に通っていた。  一人暮らしは高くついたので、お安い寮暮らし。けど個室だ。  一人?暮らしに浮かれるまもなく、異変がおきた。  近くにある社。  毎日のように通った。  なぜか来てしまう。  止められなかった。  寮の門限いっぱいまで社周辺をぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる…………徘徊が止められない。  脚が毎日パンパンになった。  「疲れた疲れた」と喚きながら、それでも向かう。  酷い時は食事もそこそこにしてずっといた。  「脚が痛い、疲れた、ひもじい」  大学なんて行きたくない。  こんな鉛みたいに思い体じゃ、無理だ。  どうすれば、どうすれば…………  この奇行は『幽霊に嫌われる子』と知り合うまで続いた。  しばらくたってその子から聞いたが、社付近は『でる』ことで有名だったらしい。  一回も見てないけど。
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