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家が守られている訳
(これは、私の友人 I の話だ。)
I は『処理場の山』がある地域に住んでいた子で、霊媒体質だった。
そういう類に何故かつけねらわれていたので、よく怪奇現象にあっていた。
急に転んだり、見えない傷ができたり、置物の位置が変わっていたりと、色々だ。
I はいつどうなってもおかしくないと、『みえる』友人たちは気にかけていた。
けれど数年後、I は無事に地域を抜け出し、平穏な暮らしを手にいれた。
連絡先が消えてしまったので、詳しい経緯は知らないが……高校時代から家を出ると宣言していた通りに、彼女は行動したのだ。カッコいい。
I がどうにか生き延びれていたのは、曾祖母の霊が家を守ってくれたからだそうだ。
なんでも、死してなお家を大事に思う気持ちが強ければ、地の守護霊となって悪いものを跳ね返せるらしい。
だが、I が独り立ちする前後から、力が薄れていたようで。
その後は誰にもわからない。
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