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幽霊とくらす友達の話
これは、私が十代のころの話だ。
なんでもない日、同じ学校で親しくなった友人の家に数人で泊まりに行った。
彼女の家は親しい友達だけが知る、心霊スポットだ。
家だけでなく、地域一帯が『出る』場所としてまことしやかに囁かれている。地元民はひた隠しにしているらしいが。
昼は何事もなくすぎた。
だが、夜になるとたちまち異変がおきた。
お風呂にある小窓を叩く、幾つもの手。
玄関を乱暴にあけようとする物音。
冷房を入れたかというほどの、寒気。
怖くなって皆で早くに寝た。
朝起きると、彼女が足を抑えてイテテと呻いていた。
「あー、またやられた」
彼女が蚊に刺されたみたいに言う。
そこには、大きなアザがあった。
くっきりとした、手形のアザだった。
「っっっっっ!」
みな、声を失った。
彼女はよくあることらしく、ピンピンしてる。
私はもう、本当に怖くて怖くて、みんなを置いて先に帰った。(ちゃんと家の人にはお礼を言った。偉い。)
なぜか同じ道をぐるぐるしてしまい、気が滅入ってビートル〇のhelpを大声で歌った。
自宅につく頃には夕方になっていた。
あのまま定刻までいたらと思うと、ゾッとする。
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