学校近くにある公園の話

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学校近くにある公園の話

 これは、私が十代のころの話だ。  学校の近くに小さな公園があって、帰りに友人とよく遊んだ。  遊具はブランコのみ。  質素な公園だ。  その日は友人のなかに『みえる』子がいて、夜になる前に帰ろうって提案された。  そんなことを言われて、皆好奇心がわいた。  「なにかいるの?」  とひとりが探る。  その子は難しい顔をして、  「いるっていうか、そこまでマズイのは来ないと思うけど……」  皆、変にテンションがあがって、時間のかぎり残ろうかって騒いだ。  「やめとこう。数が多すぎるし、めっちゃ増えてきてる」  ピタッと全員動きが止まった。  え? すでにナニカがいるの?  うそでしょ?  流石に怖くなって、皆あっという間に帰る準備をした。  間際に、  「気をつけて、髪狙われてるよ」  とその子から忠告され、私はかつてない勢いで家に走った。  この頃、髪は背中くらいまであって、結構念入りに手入れもしてた。  数年後、県外の学校に行くことに決めた時、無性に髪を切りたくなったので、ベリーショートにした。  そういえば、県外から帰ってきた時も、無性に切りたくなってベリーベリーショートにしたんだった。   これを書きながら、思い出した。  …………今も、ベリーベリーショートのままだわ。
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