前世がみえる子の話1

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前世がみえる子の話1

 これは、私が十代の頃の話だ。  学校に前世が『みえる』子がいた。  はじめは私も疑心暗鬼だった。  けれど、前世からの因果で今世も好きなものをズバリと指摘され、信じるようになった。  (この子の話は長くなるので、小分けに載せていこうと思う。)  ある日、とめどない衝動が抑えられず、とうとう前世を見てもらった。  すると、私は大昔の舞台役者だったらしい。  機械がまだ発展していない時代の、外国人。しかも男の人で、白人だったらしい。(舞台の上で死にたかったようで、来世でそれを叶えたいと言い残したそうだ。怖い。)  たしかに劇が大好きだから、すんなり納得した。  ただ、その子はぼそりと、  「あんまり地球に降りてきてないね」  私は以前どこにいたんだろう。
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