暗がり列車

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 それは、あまりに突然だった。   何の前触れもなく、寝台列車は悲鳴にも似た甲高い声を上げて急ブレーキをかけた。列車全体が、まるで生き物のように大きくうねり振動する。本格的な眠りに入ろうとしていた久藤は軽く舌打ちをし、ベッドの端を掴んでその衝撃をいくばくか緩和させる。  ガタン......ガタン......。プシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ.........。  列車の動きが完全に止まるのを待った久藤は、ベッドから飛び起きた。 「おいおい、一体何だ!?」  窓の外は、(いま)だ一点の明かりもない漆黒に覆われている。何か異質なものを感じた久藤であったが、一先ずベッドに腰をかけ駅員のアナウンスを待つことにした。
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