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(嫌な予感がしたんだよ...。うちのクソ上司が取材の延長なんて許してくれるはずなかったんだ...)
雑誌記者の久藤流は、自身の上司の暴力的なまでの理不尽さにほとほと呆れていた。
彼はとある取材で職場のある東京から、S県の片田舎へ赴いていた。与えられた期間は一週間。その僅かな時間の中で彼なりに情報を集め、最後日にはそれなりの収穫を得たため上司に期間の延長を求めたのだが...。
「はぁ!? お前、10年目にもなってまだ社会を舐めてんのか!? というか、まだS県にいたのか!! 今すぐ帰ってこい!!」
「.........はぁ」
「おい、聴いてるのか!!? 明日の朝礼には顔出せよ!!!」
「.........あの」
「ツー、ツー、ツー」
一方的な言葉だけを残し、通話は切られた。全く、取り付く島もない。
その時にはもう18時を過ぎていたので途方に暮れていたのだが、幸い東京行の寝台列車が走っている事を知り、慌てて飛び乗って今に至るのであった
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