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壁に頭を叩きつけた回数が2桁に到達する頃、久藤は漸く我に返った。
「はぁ...はぁ...。あ、あいつは?」
久藤は息も絶え絶えになりつつ、4両目に蠢く異形の姿を再び確認した。相変わらず不規則形を変えこちらに向かってきているが、その位置は先程からあまり動いていない。
ここに来るまでには、まだ時間がかかりそうな様子だ。
(チクショウ、頭が痛ぇ...。あいつがいる以上、後ろには行けそうにない。前の車両に行こう)
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