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「これは...ふむ...日記のようだな」
スマホを脇に抱えて光源を固定し、日記のページを捲っていく。日本語で書かれた日記は、基本的に日付と「異常なし」という言葉が書き連ねられた簡素なものだった。だが、ページの最後の方に、気になる記述があった。
『後ろから○化物が迫ってきて○るし、もうそれしか○○ことができない。あの○○○○に反応するようだが、もう逃げ場がない。あいつは無事に後ろまで○○○着けたのだろうか』
文字がところどころ赤く滲んで読み取れない部分がある。だが、久藤は記者としての経験を活かし、読み取れない部分を補完した。
『後ろからは化物が迫ってきているし、もうそれしかすることができない。あの化物は光に反応するようだが、もう逃げ場がない。あいつは無事に後ろまでたどり着けたのだろうか』
「...過去に、俺と同じ状況に陥った人がいたようだな。化物が光に反応するっていうのも一致してる。そして......後ろに行った奴がいるのか。化物がいるのに? 何故だ ?」
その答えを知るためには、まだ情報が足りない。ここからさらに先、この寝台列車の先頭車両に行く必要があると、久藤は判断した。
「行くしかない...か」
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