暗がり列車

39/86

17人が本棚に入れています
本棚に追加
/86ページ
「うわっ、あああああああああああああああ!!! 」  再三に渡る狂気的体験。これまでは現実離れした異形であったが、今回は遂に人間の死体が現れた。顕現する死の象徴。人間の成れの果て。この狂気溢れる場所で、という、未来への暗示。久藤の全身は、耐え難いほど震えていた。 「ちくしょう...。チクショウ...。寒い。寒い寒い寒い寒い寒い寒い...」  その震えに、久藤の体は寒気を覚えていた。両腕を体に巻きつけ、額から汗をだらだらと流しながら、久藤は名状し難い寒気に耐える。ただじっと、耐え忍ぶより他、無かった...。
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加