暗がり列車

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(...主よ。どうか、私をお救い下さい。あのが私に気付かず、目の前のに喰いつくように仕向けて下さい。お願いします。どうか、どうか...)  ぴちゃ、ぴちゃ。ずる、ずる。ぴちゃ、ぴちゃ。ずる、ずる。  久藤は祈る。(さい)は投げられた。後はもう神に祈るのみだと。化物は相変わらず蠢いている。耳障りな音を立てている。いる。すぐそこにいる。
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