暗がり列車

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(よし、行くぞ!!)  できる限り音を立てないように立ち上がった久藤は、化物を切り抜け1両目を脱した。  そのまま小走りで2両目を抜ける直前に、背後から「ガシャン!」とガラスが割れるような音が聞こえてくる。あの化物が、スマホを破壊した音だろう。久藤の背筋に冷たい汗が流れる。 「...恐ろしい。だが、のはここからかもな」  暗闇を駆け抜ける久藤。彼の手に、明かりになるものはもう、無い。ここから先、彼が向かう4両目に何が待ち受けているのか。  彼の手に明かりはもう、無い。
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