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(やめよう。ここまで来たら、進むしかない)
最後に大きく深呼吸をした久藤は、覚悟を決め4両目の扉から中をのぞき見た。
(...暗いな。殆ど何も見えない)
闇の帳が降り、暗黒が支配する4両目の内部を把握することは出来なかった。やはり明かりが無いのは致命的だ。念のため耳を澄ましてみるも、これといった音は聞こえては来ない。これ以上外から得られるものはないと判断した久藤は、扉を開け4両目へと進行した。
(ついに来た。ここが最後の車両だ)
4両目は、構造的には1両目とほぼ同じ造りをしていた。左右に乗客用の個室が設置されているのがうっすらと見える。だが視認できるのはそこまでだ。
その奥に待ち構えるものを知るには、更に深い闇を切り拓き進まなければならない。
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