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「んー…やっぱ出来ないよ。ペル。」ランスが私の手に軽くキスをし、立ち上がる。
「なんで?。」「痛そうだから…。」別にいいのに…ランスにだったらあげられる。
「痛くないよ。ランス。ランスなら大丈夫。」「……グラスで…飲んでいい?。」ランスがグラスを取り出す。またグラス…?その言葉を飲み込む。
「分かった……。ねぇランス。」私は立ち上がる。「何?ペル。」ランスはグラスで飲む準備をちゃくちゃくと進める。なんなの。もう。……「ランス…。ランスは…私にくれないの?。」ランスはピタリと手が止まる。どうやら戸惑っているようだ。「痛…そう…だし…それに…。」ランスの手からグラスが落ちる。パリンと、気持ちのいい音が響く。
「ランス…見て?。」私はグラスの破片で手を切る。……どくどくと流れる。
「…………。」ランスは無言でゆっくりと私に近づく。「ランスになら…あげられる。」私は赤く染まった手を差し出す。ランスは少し微笑んで、グラスの破片を手に取る。
「…気が…変わった。」ランスが手をグラスの破片で切る。どくどくと流れる……。ランス。…「っ…。思ったより…痛く…ないね。」ランスは微笑む。赤く染まったランスの手。
「ランス…愛してる…。」私はランスの手を取る。冷たくて、暖かい…。「…先に言われた……ペル、愛してる。」ランスは私の手を取り、そっと唇を当てた。
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