Ep2 私の前世

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Ep2 私の前世

あら、ここは…?  目を開けると、そこは真っ白な空間だけがただ果てしなく広がっていた。  辺りを見回しても、出口などは見当たらず、頭痛もいつの間にか無くなっていたので、とりあえず歩いてみようと思い、立ち上がる。  すると、どこからか、人の声が聞こえた。女性と男性の声。楽しそうな声。  誰か、私の他にもいるのかしら。  誰もいないということは一目瞭然なのだけれど、人がいることを信じて声のする方へと歩き出す。  そうしてすこし歩いたところで、突然、ぶつりと目の前に映像が映し出された。  私は歩みを止めると、ひとまずその映像に視線を移す。 「高校が離れても友達よ!」 「もちろんだよ!」  映像は、楽しそうで、けれどどこか寂しそうな2人の男女が話していた。  何故かしら。見覚えがある気がする。  その男女に対し、つっかかりを感じていると、映像はそこで途切れ、今度は別のシーンに切り替わった。  新たに映し出された映像は先程と同じ男女が話しているもので、異なる点を挙げるならば、さっきの男女が少し大人びているのと、服装がブレザーに変わっているという点だけ。 「高校卒業おめでとう!写真撮りましょ!」 「おめでとー!もちろんだとも!」  こーこー?  初めて聞く単語のはずなのに、それがとても聞き馴染みのある言葉に感じた。  自分の中の違和感の答えを探していると、また映像が途切れ、再び、先程の男女がさらに大人びた姿で映し出された。 「大学ももう卒業なのね。ついに社会人の仲間入りよ」 「早いね…あっという間だったね…」  だい、がく。しゃかい、じん。  頭の中で男女が発する単語を繰り返す。  もう少し。もう少しでこの違和感の正体がわかる気がするの。  そして映像が途切れ、今度は女性が2人映し出された。  1人は先程から映し出されていた女性。  もう1人は見知らぬ女性。そう、私はその女性を知らないはずなのに、彼女を見た瞬間、胸がざわつくのを感じた。 「平野さーん」 「はい!」 「あっれー? 30分前に渡した資料、まだ終わってないのぉー? あ、あと、これ、明日までにやっといてねー」  その言葉で全てが走馬灯のようにフラッシュバックする。  ああ、思い出した。  これは紛れもなく、私の前世だ。  というか、30分で終わるはずないだろう!!
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