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そう思ってすぐ、誰かに引っ張られる感覚がして私は勢いよく起き上がる。
辺りを見回すと、アルフェクト学園の大門と、心配そうなイフの顔が確認でき、私はあの真っ白な空間から戻ってきたのだと安堵した。
思い出した。
代償に!全部!思い出してしまった!!
「お嬢様!!」
「…イフ」
心配そうに私の顔を覗き込むイフの姿に心が落ち着き、私は彼を安心させるように優しく微笑む。
「私、どのくらい気を失ってたの?」
「え? あ、そうですね、私が脈を測ったすぐ後でしたので…10秒くらいかと思いますが」
「なるほど」
うん、とりあえず、イフに今の状況を説明すべきだよね。
私は深呼吸をしてから、深刻な話をする時のようにイフの目を見る。
「イフ、大変なことが起きた…!」
私がそう言うとイフは顔を真っ青にした。
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