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いきなり私は、夕方の駅の雑踏から取り残された。
…邪魔者は消しちゃったんだから…
『美弦に、智也くんを奪われるなんて思ってなかった』
『彼と別れるって言った美弦を信じて、あの場所に行った私が悪い?』
『美弦、上手くやったよね。私は未だに行方不明だもの』
スクロールする度に、身体の震えは酷くなる。
誰にもバレていない隠しごと。
そう
私が死ぬまで
いいえ
死んでからだって 誰にもバレるはずがないーー
『信用していた美弦に 海に突き落とされた私の気持ち、わかる?』
『苦しくて苦しくて苦しくて』
『悲しくて悲しくて悲しくて』
『怨んで怨んで怨んで』
そんなバカなことがあるはずがない。
誰にも気づかれず
あの日のことを隠し通したまま
私は
幸せに生きてきた。
でも
このメールの差出し人は
私の、親友の
『もう充分でしょ?今度は、私が智也くんと幸せになる番だよ』
「絵里香…」
『そろそろ交代しよう。このことは、私の"隠しごと"にするからね』
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