第1章

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第1章

 木刀を持った、白髪交じりの男性が言った。 「そういう場合は独りで悩まずに、先人から知恵を借りるものです」  この人は誰だっただろう。とても昔から付き合いのある人だった気がする。  僕はこの時、何かに悩んでいた。本当に孤独だったことだけは覚えている。そして、そのアドバイスを聞いたとき、胸の奥で固まっていた、大きな苦痛が…熱せられたゼラチンのように溶けて消えたんだ。
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