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「呪術屋とか怖いすね」
会社を出ると茶木は肩をすくめる
「この国の裏の世界に巣食う悪しき習慣だぜ、政敵、企業間のトラブル、戦の影に奴らはいた。死の狩人としてな。
俺も一時期いたんだけどな」
「えっ!マジすか」
「フッ、殺しに手は貸してねぇが、そこの元締めに昔、世話になってたことがあんだよ」
「へー」
「気をつけろ茶木、一度奴らに狙われたら、四六時中襲ってくる、死ぬまでな」
「どうゆう方法使うんすか?」
「オーソドックスなのは式神を使う」
「式神?」
「彷徨う、霊や魑魅魍魎を荒ぶらせ、紙に宿す。紙には器がねえからな……。それを梵字で封をして閉じ込めたあと、契約を結び、従わせ、ターゲットに送って殺すて寸法よ」
「ヤバい奴らすね」
茶木が眉を潜めると
黒のジャケットに黒のパンツ、そして肩まで伸びた黒髪にサングラスをかけた男が、その巨体を揺らし近づいてくる。
「なんか、ごっつい奴が来ますぜ。兄貴」
御上は無言のまま、男を睨むと
「お前が拝み屋の御上か、余計な真似するなよ」
「裏の稼業のヤツか、安心しろ、何もしちゃいねえよ」
男は御上の肩にわざとぶつかると、そのまま去っていった。
「兄貴!」
「平気だよ、帰るぞ」
御上は、その男の背中を見送ると足早に歩き出した。
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