式使いの男

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夜更け、御上のオフィスの窓ガラスが割れ、彼は飛び起きた。 下を見ると昼間の男が立っている 「よう、忠告したのに余計な真似してくれたみたいだな」 「俺は何もしちゃいねえよ、文句なら高野山の連中に言えよ、それよりガラス代請求しとくぜ」 「とぼけた野郎だ、元締めが、お前には手を出すなと言ってたが、仕事の邪魔をしたヤツは許しちゃおけねえ」 「どうする気だ、俺を殺す気か」 「ふん。降りて来いよ」 御上は鼻を鳴らすと黒のスーツを羽織い下に降りてきた。 「さて、何して遊ぶんだ」 「俺は覇王丸源次(はおうまるげんじ)」 「すげー名前だな、まあ偽名だろうが。 フッ、最近、裏の世界で名前を売ろうと躍起になってるデカイ式神使いがいるてのは聞いてたが、お前か」 「拝み屋、御上、噂通りか手合わせしようぜ」 「そんな暇はねえよ、遊びたきゃ、式神と1人遊びでもしときな」 「ふん、」 覇王丸は地面に両手を乗せると 「覇王丸の名において命ずるヤツを殺せ」 と唱えると床のアスファルトが盛り上がり歪な犬のようになり二匹で襲ってきた。 「チッ、」 御上は懐からモデルガンのリボルバーを出すと犬の背中にある式の紙を狙って発砲し、紙が破れると犬の像は崩れ落ちる。 「それが、例の梵字入りのリボルバーか、俺の護符(ごふ)を破るとは、たいしたもんだ」 「おい、デカブツ、こんな街中で式を飛ばすとか、イカれてんのかよ」 「安心しろ、ここいら一体は結界を張り巡らしてる、よっぽどの霊力がなきゃ何してるのか、わからねえよ」
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