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突然の電話
『オメデトウゴザイマス、オメデトウゴザイマス!』
蒸し暑くなってきた明け方、突然非通知で鳴った電話に出ると、いきなりそんなことを言われた。寝起きで聞かされる喧しくて甲高い電子音みたいな声と、訳のわからない内容に混乱した俺は思わず尋ねたが、相手はただ、壊れた人形みたく『オメデトウゴザイマス、オメデトウゴザイマス!』と繰り返すだけ。
うるせぇし気持ち悪い、イタズラか、マジでヤバいやつからの電話かもしれないな……そう思って切ろうとした俺に、電話向こうのやつは言った。
『朝、アナタ ノ オ宅 ニ オ届ケシマス!』
「あ? 届けるって何を、」
ぷつっ……
訳のわからない、一方的な電話。
何を送りつけようってんだよ、意味がわからねぇ……、時計を見ると、針は午前5時ちょっと前を指していた。あぁくそ、あと1時間はゆっくり寝られたのによぉ……俺はもう一度横になり、今度こそ朝まで眠って……。
仕事に向かおうと部屋のドアを開けたとき、その小包に気付いたのだ。
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