選ばれない女

＜クロレキシ＞

『しょういち君に勘違い』
1番目のタイトルをタップすると動画が起動した。
幼稚園の時、いつもしょういち君にいじめられていたヨウコちゃんが、しょういち君に告白をすると言っていた。
私もしょういち君が好きだったしヨウコちゃんはいつもいじめられていたから、私を選んでくれると思って慌てて先に告白をした。
すると「僕はヨウコちゃんが好き」と言われて玉砕した。

好きだからいじめてしまうと言うトラップだった。

2番目は『隣りのこうじ君』
中学の時、隣の席のこうじ君がよく教科書や文具を忘れてきた。その度、教科書を見せてあげたりペンを貸してあげてた。
ある日ストラップを貰ったことでちょっと舞い上がり、もしかするとこうじ君も私のことが好きなんじゃないかと思い切って告白したら「お前に借りを作りたくない、逆となりのカスミが好きだから」と言われた。

好きだから声をかけられないトラップだった。

そういえば、この間に小学生の頃ブース！ブース！と私を見るたびに言っていたユタカ君、好きだからいじめられてると思っていた。時折優しくされるのが嬉しくて好きになったら父の転勤で引っ越しをすることになり、思い切って告白したらブスのくせにハズいんだよって言われた。
アレはガチで嫌われてるパターンだった。
転校する日までユタカ君の顔を見ると怖くて逃げて最後まで話をすることなく転校した。
アレはユタカ君から単純に嫌われていたということだからカウントは無いのか。
自分にとっては鮮烈な思い出なんだけど