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「……奏芽さんは……やっぱりエスパーか何かみたいです。――私、いま、のぶちゃんと……。えっと、幼なじみの彼と……ちゃんと話してからでないと、奏芽さんとのことにも向き合えないなって……そんなことを思ってました」
今までは、ただ漠然と「また連絡するね」と言ってくれたのぶちゃんからのコンタクトを待てばいいと思っていたのだけれど、自分のことなのにそんな受け身でいいのかな?って……。自分から動かないとダメなんじゃないかな?と思ってしまって。
ただ単に、自分の中で結論が出てしまったから、のぶちゃんに少しでも早くそれを伝えたくて堪らないだけなのかも知れない。
のぶちゃん側の気持ちの整理なんてお構いなしに、自分本位に動こうとしているに過ぎないんだと言うのも分かってるつもり。
でも、私がノブちゃんに伝えたい言葉は、それが遅くても早くても、きっと彼を傷つけるから。
だったら、いっそ早く終わらせたいとも思ってしまって。
***
「凜子がさ、何を考えてるのか……俺、なんとなく分かるんだけど。頼むから無茶だけはしてくれるなよ?」
黙り込んで考え事に没頭してしまった私の手をそっと握ると、奏芽さんが心配そうに眉根を寄せる。
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