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そう思ったら、憑き物が落ちたみたいに「妹さんと髪型が似ている」と言われたことが、気にならなくなってしまった。
「奏芽さん、……わけの分からないことを言って拗ねて……ごめんなさい」
だって今の、どう考えても過剰反応だもの。
私は一回り以上も歳の離れた、何もかもが大人な奏芽さんに、対等な大人の女性として扱われたくて――。
妹だなんて思われたくないし、ましてや歳の離れた乳臭い小娘だとは思われたくないの。
だから、奏芽さんの弁解を聞こうともしなかった。
いや、怖くて聞けなかった。
「……奏芽さんは……妹さんのこと、大事に思ってらっしゃるんです、よね?」
恐る恐る聞いたら、奏芽さんがどう答えたら良いのか逡巡しておられる風で。
「あの、さ。今から言うこと、変に勘違いして欲しくねぇんだけど……」
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