あまみや

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 ややして躊躇(ためら)いがちにそう前置きをしてから、奏芽(かなめ)さんは 「妹が生まれた瞬間から……俺にとって音芽(あいつ)はずっと、特別な存在だったんだ」  とつぶやいた。 「特、別……」  私が吐息を漏らすようにその言葉を復唱すると「――けどそれ、あくまで〝大事な妹〟って意味だからな?」と力強く付け足す。 「はい――」  分かって……います。  そんなニュアンスを込めて彼を見つめたら、 「今までの俺、多分にちゃらんぽらんだったのを認めて正直に言うな? 異性としてこんなに大事にしたいって思ったのは……凜子(りんこ)が初めてだから」  って真剣な顔をして見つめてくるの。  それは今までおちゃらけた感じで聞かされてきた、「凜子のこと、気に入ったんだ」とか……そういう言葉とは一線を画して感じられて。 「奏芽さん……」  私は胸がいっぱいで、言葉に詰まった。
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