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自分に言い聞かせるように小さく吐息を落とすと、既読のつかないスマホをキッチンに置いて、シャワーを浴びた。
火照った体を少し扇風機の風で冷ましてから、シャワー前に選んでおいた服に袖を通す。
着替えたのは、白のTシャツに、ターコイズブルーのワッシャープリーツのロングスカート。
露出の多い服なんて元々持っていないけれど、膝丈などではなく、くるぶしも隠してしまうようなロングスカートを選んだのは、そのなかでもさらに肌が見えていない服を選んだ感じ。
髪の毛は、今朝、登校前にもしかしたら夕方、奏芽さんに会えるかな?って期待して結んでいた、ふたつ分けのゆるっとしたフィッシュボーンから、ひとつ結びの編み込みに結い直した。
今回は意識して、いつもより少しキツめに編み込んでいく。
その方が、なんとなく気持ちを引き締められる気がして。
このところ、髪をゆるふわに編むときは、心もふわふわと弾んでいるときで。
要するに、専ら奏芽さんと会うときの仕様になってしまっているのだと、ぼんやりと自認する。
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