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ずっと私を妹くらいにしか思ってくれていないだろうと考えていた憧れののぶちゃんは、私のことを異性として見ているって話してくれたんだ。
私も、奏芽さんに出会う前は、そう思ってもらえたらって願っていたはずで。
そんな関係の私たちなのに。
私がしようとしていることを、もしも奏芽さんがって置き換えてみたら、とてもじゃないけど心穏やかではいられそうにない。
こ、こんなことしたらダメだ――。
じゃあ、どうしたら?
そもそも考えてみたら、今から私がのぶちゃんにしようとしている話は、お食事とかしつつ時間をかけてするような楽しいものではない。
のぶちゃんの機嫌を取るみたいなあれこれを思い描いてしまうのは、後ろめたい気持ちを緩和しようとしている、私のずる賢さに過ぎないんじゃないかしら。
そう思ったら、私がとるべき行動はそんな小賢しいことではなく、ひとつしかないじゃないって気がついた。
のぶちゃんから電話があったら、何はさて置き彼がいる場所を聞こう。
そして、相手のいるところまで出向くのは私であるべきなんだ。
間違ってものぶちゃんに、アパートまで来てもらっちゃ、ダメ。
用があるのは私なんだもん。
私が出向いて、用件を淡々と伝えて、速やかに立ち去るべきよ。
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