私のおさげをほどかないで！

気のせい？

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　谷本くんに言われた“艶めいた目”と奏芽(かなめ)さんの言った“女の目”が同じ種類なんだとしたら……私、奏芽さんとそれこそ身も心もひとつになれない限り、そういうの、ダダ漏れになってしまう気がするの。

　一度色めいた意味で火をつけられてしまった身体は、そういうことに免疫がなかった分、抑えがきかなくて。
　奏芽さんの“大人のキス”は、私にとってそのぐらいパンチ力があったの。

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「あの、ちょっといいですか？」

　お客さんが少ない時間を見計らって、防寒対策に上着を羽織って外のゴミ箱を片していたら、不意に背後から声をかけられて、思わず身体が跳ねてしまった。

　足音を忍ばせていらしたわけではないと思うけれど、「はい」と振り返ったら、思いのほかその人が立つ距離が近くて再度びっくりしてしまった。

　きょ、距離感……っ。

　思わず後ろに下がろうとしたら、ゴミ箱にかかとが当たって「あ」と思う。

　仕方なく横にスライドするように半歩ズレて距離を取ると、「どう言ったご用件でしょう？」と声の主を見つめ返した。