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ソワソワとそんなことを思いながら、四季ちゃんに「奏芽さんが四季ちゃんと話したいって……」とスマホを差し出したら、四季ちゃんが目をパチクリさせた。
「え? 私っ?」
うん、私が四季ちゃんでもきっと、何で?って思う。
私自身も困惑気味なままうなずくと、四季ちゃんが小さく深呼吸をして「――もしもし?」と電話に出た。
そのまま奏芽さんと何事かを話している四季ちゃんを、私は落ち着かない気持ちで眺める。
奏芽さん、四季ちゃんと何を話しているのかな?
電話でさえも、彼が違う女の子と話していると思うと、何だか気持ちがざわついてしまうとか、私も大概ヤキモチ妬きだ。
ましてや現状、2人はきっと“私のために”話してくれているのに。
「はい、分かりました。じゃあ放課後はその方たちがいらっしゃるまで私、凜子ちゃんのそばにいます」
四季ちゃんが、奏芽さんからの言葉にうなずいて。
私は四季ちゃんから自分の名前が出て、思わず彼女をじっと見つめた。
何の話だろう?
“その方たち”ってことは……奏芽さんじゃない誰かが来る?
ん?
どういう意味?
疑問符満載で四季ちゃんを見つめていたら「鳥飼さん、もう1回凜子ちゃんと話したいって」ってスマホを手渡される。
私はよく分からないままに電話を受け取って。
奏芽さんから低くてよく通る声で告げられた言葉に、瞳を見開いた。
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