知らないけど知ってる人

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「ちょっと、2人とも! 奏芽(かなめ)は図太くなんてないし、変でもないわよ!? パパより堂々としててかっこいいだけだわっ!」  ぷぅっと頬を膨らませて、和音(かずね)ちゃんが奏芽さんを弁護して。  私たちは3人で顔を見合わせて、思わず笑い合ってしまった。 「ちょっと! 一緒になって笑ってるけど、お姉さん……えっと……向井さん?だって私と同じ気持ちでしょう!?」  いきなり和音(かずね)ちゃんから名指しで同意を求められて、私は瞳を見開いた。  ふと視線を落とした先、和音(かずね)ちゃんから「そう思っていないなら奏芽の横にいることは認めない」って目で訴えられているような気がして、私は「もちろん」って答えたの。  さっきまで物凄く緊張してしんどかったのが嘘みたい。  音芽さんや和音(かずね)ちゃんと話していたら、強張っていた身体から、知らないうちに力が抜けていた。  そんな私の様子を見て安心したのかな?  四季(しき)ちゃんが「じゃあ、私はそろそろ。――あの、凜子(りんこ)ちゃん……、えっと、私の友達のこと、よろしくお願いします」とぺこりと頭を下げて、「――凜子ちゃん、また明日ね」ってあっという間に走り去ってしまった。
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