1546人が本棚に入れています
本棚に追加
「なぁ凜子。嫌だったら断ってくれて全然構わねぇんだけど……。その……凜子のスマホに……追跡アプリとか入れても……いいか?」
ややしてぽつんと落とされた言葉に、私はキョトンとする。
「追跡、アプリ?」
聞き返すと、奏芽さんはとても言いにくそうに視線を私から一瞬そらせて……それでも意を決したみたいに続けるの。
「昔、親父が妹を心配して音芽のスマホに入れてたことがあったの思い出してさ。あー。……けど、やっぱ気持ち悪いよな」
私は奏芽さんの言葉を、しばし自分の中で整理する。
「それを使えば私の位置情報が奏芽さんに分かるってことですか?」
聞くと、「ああ。けど、凜子のだけ一方的に、ってのは不公平だと思うから……お互いの位置情報が確認できるやつにしようと思ってんだけど」って言って。
「奏芽さんのも?」
その言葉に驚いて思わず聞いたら「イヤか?」って不安そうな顔をするの。
最初のコメントを投稿しよう!