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「ねぇ四季ちゃん。た、例えば……なんだけどね。大学の勉強をしながら通信講座を受けるのとかって……どう思う?」
何の気なしにそう言ったら、四季ちゃんに目をまん丸にされてしまった。
「凜子ちゃん! 今でも大学の勉強無茶苦茶頑張ってるよね? バイトも毎日のようにしてるし……この上さらに通信講座までって……寝る時間あるの!?」
確かにそれは四季ちゃんの言う通りで。
私、元々そんなに要領がいいわけじゃない。
成績がそこそこの位置をキープしているのだって、努力をした結果だからに他ならないわけで、恐らくやらなくなったらそれなりの成果しか出せないの。
何もしなくても何でも卒なくこなせてしまう、いわゆる天才気質の奏芽さんと違って、私はコツコツ積み上げていく典型的な努力家タイプ。
家を出て一人暮らしを始めてしまった分、お母さんに負担をあまりかけたくなくてバイトをして生活費を工面しているものの、仕事と勉強の両立というのは自分が考えていた以上に大変で。
「やっぱり……無理……なのかな」
2年生になれば、1年生の時ほど沢山の講義を取らなくて良くなるのは確かなはず。
でも、それと同時に卒論を視野に入れた準備も始めておいた方がいいわけで。
ほぉっと溜め息をついたら、四季ちゃんに心配されてしまった。
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