*ようこそ我が家へ

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 その握り方が思いのほか強くて、手首に鈍い痛みが走った。それに思わず眉根を寄せた私を、その人はどこか満足そうに見下ろしてくるの。  それが一層怖くて、必死に手を取り戻そうともがいたら「少しおとなしくしてくれる?」って小型のペンみたいなものを目の前にかざされて。  なに?って思うのと同時に、それが太ももに押し当てられて、バチッと言う音とともに足を無数の針で貫かれたみたいな激痛が走った。 「……っ!」  恐怖と痛みが混ざると、一瞬息が止まったようになって声も出せないのだと言うことを、私、思い知らされた。  痺れを伴った刺すような痛みは、押し当てられた右太ももだけじゃなくて、そこから足の付け根、そうして爪先に向かって広がっていく。  一瞬で足に力が入らなくなって、思わずくず折れそうになった私の身体を抱きとめるように支えると、耳元で「これ、ペンみたいに見えるけど小型のスタンガンなんだ。小さいけど結構効くでしょ? これ以上痛い思いをしたくなかったら、そのまま僕に身体をゆだねて抵抗しないでね?」ってささやかれた。  頭の中では「嫌だ」って言葉が響いているし、今すぐにでも男から身体を引き剥がして走り去りたいって思ってる。  なのに、実際には何ひとつ抵抗なんて出来なくて。  私は麻痺を伴った激痛で、返事をすることもできずになすがまま。
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