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ベッドの上に半身起こした状態で、両足首をギュッと握られた私の身体は、その感触に恐怖をかき立てられてビクッと跳ねる。
なのにまだ痺れと恐れが残っている足は、その手を振りほどくことすら出来なくて。
「あ、靴履いたままだったね」
言われて足先からスニーカーが脱がされるのを感じて。
そのまま更にグイッと引き寄せられた左足首にひやりとした感触とともに何かが取り付けられて、カチャリと鍵をかけられたのが分かった。
「え、あ、あの……」
さすがにこれがよくない状況だというのは、半ば混乱した状態の私にも分かる。
鉄で出来た重たい輪っかが足にはまっていて、更にそこから長い鎖が伸びているのが見えた。鎖の先は、いま私がいるパイプベッドに繋がっているようで。
……え、なに、これ。……足、枷?
「鎖の長さは十分あるからね。そのままトイレにも行けるし、お風呂にだって入れる。完璧でしょ?」
足に繋がった鎖を見せ付けるようにされて、にっこり微笑まれたけれど、私には自分が置かれた状況が飲み込めなくて縫いとめられたみたいに動けなかった。
「あ、の……、わた、し、学校に……」
今この惨状で言うべきはそんな言葉ではないと分かっているはずなのに、じゃあ何を言えばいいの?って思ったら途端言葉に詰まってしまう。
玄関先に放置された私の鞄までたどり着けたなら、スマホから奏芽さんに連絡が取れるだろうか。
ふとそんなことを思ったけれど、まるで心を読まれたみたいに「ただ、玄関までは届かない長さだからそこはあきらめて?」って言われて絶望に支配される。
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