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思いながら深呼吸をする私に、
「もぉ、スキンカゴに入れてるの恥ずかしいからって別会計にしたのにぃー。まだレジ終わってなかったの〜? この店員さん、トロイんじゃないっ?」
私をキッと睨みつける女性の視線に、思わず怯みそうになる。
私とは真逆にいるような外見の彼女。
ボディラインがくっきり分かるようなタイトなワンピースに、派手目のお化粧。
肩下まであるウェーブが掛かった髪を、留めたりしないで下ろし髪にしていて。
髪色も私みたいに地毛そのものの色ではない、いかにもカラーリングしていますっていう感じの明るめのシルバーアッシュ。
私の地毛は色素が薄くて栗毛色に見えるだけで、別に染めたわけではないけれど、彼女のはわざわざそういう色にしてあるんだろうなぁという印象で。
自分をどう見せたら可愛く見てもらえるか計算づくなんだろうなぁという雰囲気の女性だった。
そして……そんな彼女は見た目同様とても負けん気が強くて激しい印象そのままに、私をやたら敵視しているのが分かる。
そ、そりゃ、私、まだバイト歴1週間にも満たないひよっこです!
でも、だからってそんな言い方しなくてもいいじゃない。
そもそも……新人であることを差し引いてもあなたの彼氏?の持ってきたカゴの中身が多かったんだから仕方ないところもあるんですよ?
そう言いたいのをグッとこらえて、「申し訳ありません」と謝る私に、長身男が盛大な溜め息をついた。
あー、私、この人からも嫌味言われちゃうんだ。
流れから察して、そう覚悟した。
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